「ペスト」アルベール・カミュ著、宮崎嶺雄訳。新潮文庫、1969年。
ヒーリングタッチのプラクティショナーⅡの課題に「読書感想」があります(2016年から2018年にかけて、プラクティショナー研修生として、様々な課題をしていました。)。その後も、読書は続けています。「感想を書く」という事も大切だな、と感じたので、このブログで書こうと思っていました(全然かけていませんが)。
この「ペスト」は2018年に「100分de名著」で取り上げられていて、読みたいなと感じ、実際に読み、感想を書いていました。
今、このような状況で、自分の書いた感想を読んで、もう一度、自分に問いかけてみようと思います。
(以下、2018年に書いた感想文です)
50年程前にフランスで書かれた小説。私にとっては「倫理」や「共感」について考える機会を与えてくれた本でもあります。
読み進めるうちに、本文中に出てくる「ペスト」を戦争や天災など、世界にある様々な「不条理」に置き換えて読んでいきました。(参考:NHK「100分de名著」)
この本を読みながら、戦争や天災など非情な困難が起こった時、私自身は、どのように考え、感じ、どのように行動したいだろうか、どのように在りたいだろうか、と考えました。
本に出てくる人物達の中で、私が惹かれたのは、自分の信じている事、理念や神、正義のために生きる事や行動する事ではなく(正しいとか、正しくないとかではなく)、困っている人が目の前にいたら、苦悩しながらも、困っている人に自分ができることを精一杯している人たちでした。
でも、私は日常で、正しいとか、正しくないとかを大切にして考える癖があります。
そんな自分に対して、この本は「倫理」や「共感」について深く考える機会を与えてくれました。
苦しんでいる人に生きる力を与えるのは、偉大な教えや真理の場合もあるかもしれないけれど、
「共に苦しむ」
ということが大きな力になるのではないだろうか、と思いました。
「共感」とは、「同意」ではなく、「共に苦しむ」事・・・なのだろうか?
この本の中では、自らも命の危険にさらされながら「命がけ」で、ペストに感染した人達と「共に苦しむ」人達が描かれていました。
「共感」とは、この本に書かれているように、命がけなのかもしれないと思いました。
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